複利運用!
定期預金→元利自動継続タイプ
銀行の定期預金には、実は2タイプが準備されています。一つは単利で定期的に利息が振り込まれるものです。もう一つが元利自動継続タイプで定期預金の満期が来た際に元本+利息を再度預ける商品です。このタイプを選べば複利で運用していることになります。
銀行の預入金利は非常に小さいですが、「リターンは期待しないがリスクを取りたくない」、「使う時期や金額が決まっているので、それまでは少しでも有利なところに預けたい」という方にはおススメと言えるでしょう。
投資信託
NISAやつみたてNISA、iDeCoなどで活用されている金融商品として投資信託があります。この投資信託は個人投資家が複利運用を行うのに、とても向いている商品です。
簡単に投資信託を説明すると「投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用のプロであるファンドマネージャーが投資家に代わって株式や債券などに投資・運用し、その運用の結果として生まれた利益を皆さんに還元(分配)する」という金融商品です。
投資信託の儲けは、
●安く買って、高く売る→価格差益(キャピタルゲイン)
●運用が上手く行って出た利益を投資家で分配する→分配益・分配金(インカムゲイン)」
の2種類に分けられます。複利運用では、この分配益が重要になります。少し難しくなりますが、投資信託を購入する際、分配金が発生した場合に「分配金を受け取る」・「受け取らず同じ投資信託に分配金を再投資する」のどちらかを選ぶことが必要です。
この「分配金を受け取る」設定をすると、単利運用と同じようになり元本部分を再度運用していくことになります。再投資を選ぶと元本部分に分配金を合算した金額で運用を行うことになり、複利運用と同じ効果が期待できます。つみたてNISAは最長20年間の運用ができるので再投資をし、複利の効果を楽しみにしましょう。
ただし投資信託は経済情勢やマーケットの値動き等で資産価値が増減します。大きな利益を期待できる時もありますが、場合によっては急激な値下がりをすることもあります。そのため元本割れの可能性や、期待リターンが想定よりも下回ることがあります。
投資信託を活用する際は「長期・分散・積み立て」の3つのポイントに注意しながら投資を行いましょう。リーマンショックや新型コロナウイルスの拡大など大きな市場下落の局面でも積み立て投資を継続していた投資家は、マーケットが回復するとキチンとリターンを得ることができていました。正に継続は力なりです。
複利にかかる税金とは?
複利に限らないことですが、金融商品で得た利益には、20.315%の税金が発生します。普通預金の利息にも課税されますし、投資信託の売却益や分配金にも課税されます。課税と再投資のイメージを、投資信託を例にとって簡単に表すと下記のようになります。
投資信託Aを1万円で購入
↓
分配金が200円発生
↓
課税をされ、残りは160円
↓
160円と元本1万円を合わせた1万160円を同じ投資信託に再投資
*実際には分配金が出た後に投資信託の価格が変わるため厳密には異なります。
仕方がないとはいえ、投資信託で得られた利益に課税されてしまうのは残念です。そんな時に活躍するのがNISAやつみたてNISAなどの非課税制度です。
勘違いされがちですが、NISAやつみたてNISA、iDeCoは商品の名前ではなく制度の名前です。NISA口座やつみたてNISA口座などの専用口座を証券会社に開設し、その口座の中で売買した商品の利益や分配金などには税金がかからないという制度です。特につみたてNISAは最長20年間の非課税運用ができるので、複利の効果を最大限に生かすことが期待できるでしょう。